年収400万で「結婚意欲」最大もできない若者の苦悩 「不本意未婚」の割合は20~34歳の男女で4割超

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本当に少子化対策をしたいというならば、婚姻増を実現しなければ不可能です。しかし、婚姻増を実現するためには、若者が若者であるうちに(結婚意欲が人生最大に高まる25~34歳のうちに)、「結婚してもやっていける」と若者たち自身が自信を持てる手取り収入が必要なのです。

かつては、結婚を希望する若者たちに社会的な結婚お膳立てシステムとしての見合いや職場の上司などのお節介がありました。もはや、そうした状況に戻ることはありえませんが、少なくとも、社会の大人たちが若者たちの結婚を支援しようとする空気があったことは確かです。

若いうちに結婚できるような経済的な土台作りが必要

しかし、今はどうでしょう。むしろ若者たちの経済的負担ばかりが増え、一部の恵まれた富裕層の子どもたちを除けば、日々の生活にも精一杯な状況でしょう。そのうえ、進学も就職も自己責任だと言われ、恋愛すらセクハラと背中合わせのリスクばかりがメディアで喧伝され、揚げ句の果てに「未婚化は若者たちの価値観の問題だ」などと適当に片付けられてしまう。

若者たちからすれば、別に大人たちに全面的に支援してくれとまでは言わないが、せめて自分たちの邪魔をするのをやめてくれと言いたいのではないでしょうか。

冒頭の樹木希林さんの言葉に戻れば「結婚なんてのは若いうちにしなきゃダメなの」。これはその通りでしょう。しかし、 若いうちに「結婚なんて無理」と若者が不安にならないような経済的な土台作りくらいはせめて大人たちが用意してあげるべきではないでしょうか。

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荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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