年収400万で「結婚意欲」最大もできない若者の苦悩 「不本意未婚」の割合は20~34歳の男女で4割超

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つまるところ、年齢による結婚意欲にしろ、年収にしろ、「絶対数の多いボリューム層が結婚できていない問題」に帰結するのです。

国の基幹統計においては、結婚意欲と年収のクロス集計データは存在しませんが、1都3県の未婚男女を対象に2020年に年齢別年収別の結婚意欲を私が調査したデータがありますので、それをご紹介しましょう。

年収400万円台で結婚意欲がマックスに

男女とも20~30代は、年収400万円台で結婚意欲がマックスになります。これは1都3県のデータなので、全国値にすれば、300万円台がマックスとなるでしょう。

皮肉にも、年収が増えれば結婚意欲は男女とも減退してしまうのです。40代以上であれば、男性が年収600万円、女性も年収500万円以上で結婚意欲がマックスになるのですが、前述した通り、40歳を過ぎて結婚意欲だけが高まってももう遅いのです。

少なくとも20~30代のうちに結婚するためには、年齢的にも年収的にも結婚意欲が高まる34歳までに、かつ、年収300~400万円台で結婚できるという環境でないと難しいわけです。しかし、これも変な話で、東京に住む若者に「年収300万円台でも結婚しろ」といわれても「そんな収入じゃ結婚も子育てもできない」と反論されるでしょう。

「結婚できないのは金の問題だけじゃない」という指摘もあります。確かにそういう面もあるでしょう。しかし、若者からすれば「そんなことを言うなら、金の心配をしなくていい状況にしてから言ってくれ」と言いたいのではないでしょうか。

また、高齢者の中には「結婚は金がないからこそするものだ。2人一緒に暮らせば、住居費も食費も節約できて合理的だ」というかもしれません。が、そういう高齢者たちが20代だった頃とは国民負担率が全然違います。

そもそも20年以上も20代の額面給料がまったくあがっていないこと自体異常なのですが、額面給料が増えていないのに、税金や社会保障費は倍以上に増えていて、むしろ手取りが減っているわけです(参照:『中間層が「結婚・出産」できない日本の悲しい現実』)。

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