ひきこもりをやめ婚活にかけた30代男性のその後 「恋愛経験ゼロ」だった彼が「見合い」を続けた訳

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「恥ずかしい話、恋愛経験がまったくないまま、この年になってしまいました。女性を食事に誘ったのも、生まれて初めて。そうしたら、やらかしてしまいました。失恋がこんなにつらいものだなんて思ってもみませんでした。あ、失恋じゃないですね。恋愛も始まっていなかったんですから」

それから、よういちは、これまで自分がどういう人生を歩んできたのかを語り出した。

子どもの頃は、特別に努力をしていたわけではないのに勉強ができた。母は感情の起伏が激しく、些細なことでヒステリックに泣いたり怒ったりするタイプだったが、テストでいい点を取ってくると、そのときだけは笑顔でほめてくれた。

「勉強ができれば、お母さんはやさしい。それで小6のときに受験して、中高一貫校に進んだんです。そしたら、いきなり周りのレベルが高くなって、勉強についていけなくなった。みるみる落ちこぼれていきました。高校になったらさらに落ちこぼれて、何のやる気も起こらなくなり、どん底の精神状態になりました」

高校を卒業すると、同級生たちは国立大や有名私大に進学していったが、よういちは、希望大学の受験にはことごとく失敗。受かったのは名もない私大で、そこへの進学を決めた。

「進学したものの、大学にはほとんど行きませんでした。留年を繰り返して8年が経って、除籍になりました。この間は、ひきこもりのような生活をしていました」

故郷を離れ人生をやり直す

だが、そんな生活をしている自分に段々と嫌気がさしてきた。このままでいいのか。ここで自分が変わらなければ、廃人のような人生を送ることになる。そこで、故郷を離れて心機一転、人生をやり直すことにした。

その後は関東地方の会社へ就職を決め、上京をした。

「学生時代は引きこもっていたから、友達との交流もほとんどなかったし、恋愛もしなかった。こちらで働くようになって4年になりますが、もう昔の自分には戻りたくないと思って、休日はスポーツジムに行って体づくりをしています」

仕事にも慣れてきて、自分に少しだけ自信が持てるようになったときに、好きな女性が現れた。「そしたら、こんな大失敗をしでかして」。

そこで、筆者は言った。

結婚式の様子
結婚相談所に登録をしているのは、“結婚をしたい”と思っている人たち(写真はイメージ、撮影:今井康一)

「女性とお付き合いをするのも、経験が大切ですよ。会社と家を往復する毎日を送っていたら、なかなか出会いはありません。取引先や友人や知人の紹介で女性に会ったとしても、その女性にはすでに付き合っている恋人がいるかもしれない。または恋愛には興味がない時期かもしれない。でも、結婚相談所にいる女性たちは違うんですね」

結婚相談所に登録をしているのは、“結婚をしたい”と思っている人たちだ。恋人や友達を探すのではなくて、目的は結婚。だから、お見合いをしてフィーリングが合えばお付き合いに入る。そこからさらにお互いを知り、恋愛感情が生まれれば結婚へとつながっていく。そんな説明をした。

「恋愛経験がない人でも、お見合いをして、お付き合いの回数を重ねていくことが経験につながっていきますよ。まずは場数を踏みましょう」

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