ジャニーズ「東山新社長」誕生シナリオの深い意味 次々と外部人材が組織に入る"変革期"は要注意
これは私が大企業の戦略コンサルティングに30年にわたり携わってきた経験から断言できることですが、不祥事を起こした企業が変わるためには制度も重要ですが、それ以上に人物が重要です。
今回、ジャニーズ事務所は報告書の勧告に沿って、ガバナンスを強化する方向で取締役会の改革、内部監査部門とチーフコンプライアンスオフィサーの新設、人権方針の策定と研修の充実などに力を入れていくことになるでしょう。
しかし変わるためのポイントは、それが形式的に終わるのか、実質的に変わるのか次第です。そして誰がどのように関与するかで、大きな違いができるのです。
これから半年間が要注意
社長人事が報道通りならば、ジャニーズ事務所のタレントにとってはチャンスです。経営のトップが東山氏に、プロデュースのトップが井ノ原氏になれば、少なくともタレントの側の経験者がツートップを構成するという初めての体制になるからです。
ジャニーズの上下関係は厳しいとはいえ、少なくとも過去の後輩たちに対して東山氏は真摯に向き合うことが要求されるポジションにつきます。となれば、対話を重視した仕事を進める以外に出口はない。
場合によっては、事務所を離れたタレントOBに戻ってきてもらうなどさらなる体制強化も必要でしょう。可能性としてはジャニーズの中でタレントによる自治が成立するかもしれません。
一方でジャニーズのタレントが自分たちの職場をよりよいものにしていきたいと考えるのであれば、これから半年の変革期は要注意です。というのも次々と外部人材が入ってきて、組織の要衝を巧妙に押さえていく動きも必ず起きるからです。
気づいたら新しい人権侵害が始まっていたというのは、革命の後ですら頻繁に起きる出来事です。そういった心配も少しだけ感じながらも、もし東山新体制に移行するならば期待をしたい。これからやるべき仕事がこれだけの大仕事であるにもかかわらず、火中の栗を拾うことを決めたのですから。その決断と心意気に、期待したいと思うのです。
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