ジャニーズ「東山新社長」誕生シナリオの深い意味 次々と外部人材が組織に入る"変革期"は要注意
すでにジャニー氏もメリー氏も逝去されている状況で、再発防止策の意味があるのか?という点が読者の皆さんの最初の疑問かもしれません。そこは「ある」のです。
林前検事総長は今回の事件について、人権犯罪への加担をやめるよう企業に求める国際的な人権方針に沿った解決を要求しています。実際、国連人権理事会がジャニーズ問題について調査対象としていることもあり、わが国の法律よりも上位の対応が必要なのです。
そのため再発防止チームの提言は、最初にジャニーズ事務所に対して「組織としてジャニー氏の性加害が事実であることを認める」ことを求めています。そのうえで過去の被害者に対して救済を行うこと、そして二度とこのような問題を起こさないための体制を作ることを求めているのです。
先の疑問に関して言えば、今後同じことが起きないことが望まれるのは当然として、それで終わりではダメだと言っています。過去の過ちを認め被害者を救済し、今後、別の形での人権侵害が起きた場合にも不作為ではなく、それを企業が問題として認識し対応を図る体制を作れと提言しているわけです。
ジュリー氏の認識を批判
報告書には「ジュリー氏の認識」という項目があります。それによればジュリー藤島現社長は、ジャニー氏の性加害についての認識については、今回のBBC(英国放送協会)報道後、カウアン・オカモト氏と実際に会ったときからだと供述しています。
にもかかわらず、北公次氏の暴露本や1999年の『週刊文春』の特集を認識していたことから「性加害の疑惑について認識していたと認められる」と認定したうえで「積極的な調査をするなどの対応をとらなかった」と批判されています。
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