9月「学校がつらい子」親が言いがちな超余計な一言 子どもたちも「人間関係」で悩んでいる

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そのたびに思うことは、不登校の本質的原因は、子どもの側には1ミリもなく、現在の教育システムにあるのではないかということです。つまり、現在の教育システムが現代の子どもたちに合わなくなっているということです。そのため、孤立してしまう子ども、不安感を募らせる保護者、対応に苦慮する教員が年々増加してしまっているのだろうと考えています。

保護者へまず伝える「親が1人で抱え込まない」こと

しかし、現行の教育システムが大きく変更されない以上、現在進行の状態にある不登校や不登校気味のお子さんがいるご家庭では、自ら対応せざるをえません。

そこで筆者は不登校や行き渋りの相談を受けた際、保護者の方へ次のようなお話を初めにしています。

「不登校と言っても、その原因はさまざまです。最近では、不登校の子を無理やり学校に行かせるという強引な方法は少なくなりましたが、では具体的にどうすればよいかということは、まだまだ一般化されていません。一方、お子さんの状態を詳細に把握することなく、安易に「〇〇をすればいい」というアドバイスもできません。
最も大切なことは、『親が1人で抱え込まない』ということです。学校や養護教諭の先生、スクールカウンセラーといった子どもを取り巻く人たちと連携することで、子どもへ具体的な対応をしていく必要があります。
ネットを通じて情報収集や情報交換できるコミュニティーや支援団体へアクセスすることも容易になりました。単なる臆測で動くよりも専門的知見とケース数を多く持っている人や団体とコンタクトを取ることで、わが子にとって適切な対応方法が見つかると思います」

以上の話を前提に、個別具体的な状況をお聞きして原因が特定できる場合は具体的な回答をしています。さて、ここからが倉田さんへの具体的な回答になります。

倉田さんの相談内容には「友達関係」が原因と書かれています。それが本質的原因であるかどうかは詳細を伺わないと特定できませんが、それが根本の1つであると仮定して回答します。

文部科学省の「令和2年度 『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』結果について」によると、学校に係る状況の項目で「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が最も高い割合となっています。

つまり、これは学校における状況では多くあることです。

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