「すぐ辞書を引かない!」東大生の語彙力の高め方 ひたすら書いて覚える「暗記作業」でもない

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こういった分析的な視点で言葉を眺めれば、ただの暗記と比べて勉強が格段に面白く、かつラクになるでしょう。

しかし、中には理屈付けが難しい言葉もあります。そのような場合には、「なぜこの単語はこういう意味になるのか」、「なぜこの漢字の成り立ちはこうなるのか」というのを、想像力を活用してオリジナルの理屈をつけて覚える東大生もいます。もはやクイズ感覚で言葉の勉強を楽しんでいると言えますね。

もちろん最低限の知識がないと関連付けや連想のしようもないのですが、これはそれほど難しい話ではありません。漢字なら小学生レベル、英単語なら中学生レベルの単語まで一通り覚えていれば、関連付けと連想に必要な土台はだいたい固まります。

知識が多いほど連想もしやすい

そこまでは単純な暗記がどうしても必要ですが、そこからも同じように単純な暗記作業をひたすら続けるのか、それとも想像力を働かせてラクをしながら語彙力をつけるのかは大きな違いです。持っている知識が多ければ多いほど関連付けや連想もしやすくなるので、土台が固まった後であれば、勉強のやり方次第で加速度的に差がつくといっても過言ではないでしょう。

今は大人向けの語彙力の本や英語の学習本が人気で、語彙の勉強に取り組んでいる方や、これから勉強しようと思っている人も多いと思います。その際には、この想像力を活用した分析的な視点をぜひ意識してみてください。

青戸 一之 東大卒講師・ドラゴン桜noteマガジン編集長

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あおと かずゆき

1983年生まれ、鳥取県出身。地元の進学校の高校を卒業後、フリーター生活を経て25歳で塾講師に転身。26歳から塾の教室長としてマネジメント業を行う傍ら、学習指導にも並行して携わる。29歳の時に入塾してきた東大志望の子を不合格にしてしまったことで、自身の学力不足と、大学受験の経験が欠如していることによる影響を痛感し、30歳で東大受験決意。塾講師の仕事をしながら1日3時間の勉強により33歳で合格。在学中も学習指導の仕事に携わり、現在は卒業してキャリア15年目のプロ家庭教師・塾講師を行う傍ら、ドラゴン桜noteマガジンの編集長を務める。

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