【ルポ】そごう・西武「ストライキ」最後の抵抗 紆余曲折の末「譲渡価額8500万円」で売却完了へ
厳しい残暑となった8月31日、東京・池袋駅の周辺は異様な空気に包まれていた。池袋駅東口のシンボルと言える西武池袋本店(池袋西武)が同日ストライキを実施、全館臨時閉館となっていた。
開店時間である午前10時を過ぎても、店のシャッターは下りたまま。店の前はストライキの様子を気にする見物客やマスコミで混雑し、事情を知らない通行人が困惑する様子も見られた。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の百貨店、そごう・西武の労働組合は31日、予告通知していた池袋西武でのストを決行した。前日30日には池袋西武で働く組合員約900人に対し、同店の終日閉館に伴う自宅待機などを要請。31日のスト当日は、うち約300人がデモ行進やビラ配りなどに参加した。
「池袋スト」と「セブン取締役会」が同時進行
午前11時、池袋サンシャインシティの裏側にある東池袋中央公園に、デモ行進に参加するそごう・西武の組合員が集合した。
そごう・西武労組の寺岡泰博委員長は報道陣に向け、「取締役会での決議と株式譲渡契約書への捺印が終わるまでは、各ステークホルダーや消費者の皆様にわれわれの思いを伝えていきたい。そしてこの思いが何とかして(セブン&アイ)HDの経営陣にも届いてほしいということで、これからデモを始めます」と宣言した。
午前11時半ごろからデモ行進が開始。「西武池袋本店を守ろう」「池袋の地に百貨店を残そう」などと唱和しながら池袋駅周辺を行進した。
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