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災害時「トイレに説明係」が必要になる深刻な理由 関東大震災から100年、これからのトイレ対策

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  • 加藤 篤 日本トイレ研究所代表理事
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大混乱時にトイレの使用方法を周知するのは容易でありません。そこで、大切なのは防災訓練です。しかし、防災訓練で災害用トイレの組立訓練をしていると回答した自治体は42.5%、実際に使用しているのはわずか3.3%でした。

災害時のトイレの備えに関するアンケート調査/特定非営利活動法人日本トイレ研究所(災害用トイレ普及・推進チーム)

排泄は強く習慣化された行為ですので、急な変化に対応しづらいです。また、排泄は自律神経の中でも副交感神経優位のときに機能しますので、リラックスできる環境が必要になります。だからこそ、平時に災害用トイレに慣れておくことが大事です。

宮城県東松島市は、東日本大震災のとき避難所でマンホールトイレを活用しました。そのとき、使用方法の徹底に苦労しました。

そこで現在は毎年、避難所となる学校の運動会でマンホールトイレを設置し、児童や教職員、保護者など、多くの参加者に使用する機会を提供しています(トップの写真)。運動会は防災への関心に限らず多くの人が参加しますし、そのほとんどが災害時に避難対象者です。このような取り組みは全国に広がってほしいと感じています。

災害時に水洗トイレは使えない

東京都は首都直下地震の被害想定、および地域防災計画の見直しを行いました。それによると、耐震化や家具転倒防止、不燃化などにより、科学的な知見に基づき定量化できる被害は軽減することがわかっています。しかし、定量化は限定的であると注意喚起しています。

トイレに関していえば、浄水場や下水処理場、し尿処理場などの被害想定は盛り込めていません。大元の施設が被災すれば、広域的にトイレ機能は停止します。さらに、下水道整備による水洗化が進んでいるということは、バキュームカーなどの汲み取り体制が脆弱ということです。仮設トイレを配備したとしてもあっという間に満杯になり、使用禁止になります。

だからこそ、都市部におけるトイレ対策の徹底が求められています。

100年前の関東大震災、その後の阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、そして毎年被害をもたらす水害など、被災経験は山ほどあります。この経験を備えに生かすことが必要です。

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水洗トイレが機能停止することを想定内として取り組むべきです。トイレは命と尊厳にかかわりますし、我慢できない生理的欲求ですので、真っ先に対応しなければなりません。

繰り返しになりますが、水洗トイレはとても便利で衛生的な生活機能であるがために、その機能が失われるとパニックが起こります。関東大震災100年を機に、それぞれの立場でトイレの備えに目を向けていただけたら幸いです。

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