日本を蝕む「20代の給料安すぎ問題」超残念な実態 「初任給引き上げ政策」がなければ経済成長なし
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼の新刊『給料の上げ方――日本人みんなで豊かになる』が上梓された。
「いまの日本の給料は、日本人のまじめさや能力にふさわしい水準ではありません。そんな低水準の給料でもガマンして働いている、その『ガマン』によって、いまの日本経済のシステムは成り立っています。でも、そんなのは絶対におかしい」
そう語るアトキンソン氏に、日本人「みんな」の給料を上げるために必要なことを解説してもらう。
異常に安い、20代日本人の給料
若い人の給料が安すぎることは、これからの日本経済の成長を決定的に阻害します。
これまで繰り返し、世界的に見て日本人の収入がいかに少ないか、データを用いて紹介してきました。今回も驚くべきデータを1つ紹介しましょう。
イギリスでは2023年の大卒初任給の平均は2万5856ポンドで、中央値は3万ポンドです(graduate-jobs.comのデータによる)。購買力を考慮して計算すると、日本円で年収478万円に相当します。
一方、日本の大卒の初任給は月に22.6万円で、年収に換算すると270万円です。つまり、イギリスの初任給は日本人の新卒の約1.8倍です。
アメリカのNational Association of Colleges and Employersによると、2023年の大卒者の初任給は平均5万5260ドルです。購買力調整をすると日本円で539万円に相当します。
これはイギリスの初任給の約1.13倍、日本の初任給の約2倍です。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら