元国税調査官が語る、青色申告より白色が有利の訳 小規模事業者が知るべきメリット・デメリット

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青色申告を選択する要件として、次の3点を挙げられる。

①記帳や経理について、しっかりできるというメドがついており、細かい節税策を講じる用意がある
②多額の所得が見込まれ、家族にたくさんの給料を払いたい
③赤字が見込まれる年が頻繁にある

この3点のうち、1つでも該当するものがあれば、青色申告は有利であり、そうでなければしばらくは白色申告でいいのではないか、と筆者は考えている。

売り上げ1000万円以上の人は青色申告をしよう

これまで白色申告を薦めてきた。しかし、事業規模がどんどん大きくなっていくと、いつまでも白色申告では不利になることもある。

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事業が拡大して、売り上げが増えれば、白色申告といえども記帳をきちんとしなければならなくなる。つまり、白色申告の最大のメリットである「テキトー」ができにくくなるのだ(それでも青色申告よりは楽だが)。

どうせ記帳をきちんとしなければならないのなら、いっそ青色申告にしてしまったほうがいいというものである。

また、個人事業の青色申告を通り越して、会社組織にするという手もある。筆者の感覚から言うならば、青色申告にするくらいなら会社組織にしたほうがいい。どうせ経理の手間は同じくらいかかるので、節税の幅が広がる会社組織のほうが有利だといえるのだ。

なにはともあれ、白色申告をやめるメドは、だいたい売り上げが1000万円を超えるとき、と考えればいいだろう。

大村 大次郎 元国税調査官

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おおむら おおじろう / Ojiro Omura

国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。『お金の流れでわかる世界の歴史』は「大村大次郎」の名前で刊行する初めての歴史関連書である。近著に『税務署対策 最強の教科書』『「土地と財産」で読み解く日本史』。

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