日韓に手を結ばせてアメリカが築く中国包囲網 経済まで飲み込む「安全保障」時代の日米韓合意

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関係者らの話をまとめると、3カ国合意の推進役はアメリカのバイデン大統領だった。

日米韓の連携実現に対するバイデン大統領のこだわりは強く、オバマ政権の副大統領だった2013年12月には日本、韓国を相次いで訪問し、安倍晋三首相、朴槿恵大統領に対して日韓関係の改善を働きかけている。この時の訪問が2015年の慰安婦合意につながったとされている。

その訪日直後に安倍首相が靖国神社に参拝すると、アメリカ政府は「日本の指導者が隣国との緊張を悪化させる行動をとったことにアメリカは失望している」という厳しいコメントを公表した。積極的に動いたのはバイデン副大統領だったという。

韓国の変化を捉えたバイデン大統領

そのこだわりは2021年に大統領になってからも変わらなかった。

当時、日韓関係は徴用工問題での韓国の大法院判決をめぐって決定的に悪化していた。バイデン大統領は就任後しばらくして、日韓両国に関係改善を積極的に働きかけてきたという。

転機は2022年の韓国の政権交代で起きた。

新たに大統領に就任した尹錫悦氏は前政権の政策を全面的に否定し、徴用工問題での打開策を日本に提案し決着させるとともに、韓米同盟にも積極的に取り組み、日韓、米韓関係を一気に改善した。

バイデン大統領はこのタイミングを逃さなかった。

今年5月、広島でのG7サミットに尹大統領が招かれ、短時間だが日米韓首脳会談が開かれた機会を利用し、米大統領専用の別荘地であるキャンプデービッドでの首脳会談を提案したのだった。この提案が日本側に示されたのは首脳会談の数時間前だったという。

もちろんバイデン大統領が日韓関係の改善と日米韓の枠組み作りに熱心なのは、アメリカの国益を考えてのことである。

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