昨今のトヨタ各モデルが採用する前方カメラの自動切り替え機能は、ボディサイズの大きなミニバンではとくにありがたい。Dレンジなどでの停車時に丁字路など見通しの悪くなる前方左右をワイドカメラで映し出す運転支援技術で、速度が上がると自動的に解除される。
従来型と比較すると全長が50mmほど伸びているものの、むしろ全高は5~15mm低くなっている。それにもかかわらず、そばに立つと新型のほうがグッと立派で存在感も強い。新型プリウスにしてもそうだが、やはりデザインの力は大きい。
今回用意された試乗車は4モデル
試乗したのはアルファードが①2.5LのNAエンジンで4WD(装着タイヤは18インチ)、②2.5LハイブリッドのFFと後輪独立モーター式の4WDであるE-Four(同17インチ)。対するヴェルファイアは①2.4LターボのFF(同19インチ)、②2.5LハイブリッドのE-Four(同19インチ)。
2モデル共通の項目として、従来型ではE-Four(4WD)のみだった2.5LハイブリッドにFFモデルが加わり、またヴェルファイアでは2.4Lターボが新たに設定された。
与えられた時間内に撮影をこなす必要があり、各モデルの試乗時間は30分程度と限られていたが、それでもアルファード/ヴェルファイアの違いは明確で、さらにパワートレーンごとのキャラクターも大きく異なることがわかった。先に結論を言ってしまえば筆者の好みは、19インチタイヤを履くヴェルファイアの2.5LハイブリッドE-Four(システム出力250PS)だ。
アルファードとヴェルファイアのキャラクターは走行性能領域で大きく異なる。従来型から快適性能をグンと高めたのがアルファードであると解釈した場合、ヴェルファイアではいわゆる「走る、曲がる、止まる」といった総合性能を高めるセッティングを施して独自の世界観を生み出した、と理解した。
ヴェルファイアではアルファードに対して、電動パワーステアリングのアシスト特性を変更して、ドライバーのステアリング操作に対して車体がより素早く反応するようにした。加えてDBW(ドライブバイワイヤー)システムを見直しアクセル操作に対して躍度(連続する加速度)がスッと立ち上がるように設定している。
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