アル/ヴェル「買う前に知りたい」10の注意点 あえて伝えるネガティブポイントとベストバイ
2023年に登場した新型車の中でも、特に注目度の高い車種がLサイズミニバンのトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」だ。車種ガイドや試乗記も数多く公開されているため、目にした人も多いだろう。
新型車であるから当然、さまざまな部分が進化しているが、それでも欠点と言える部分もあり、購入検討に当たって注意すべき点もある。ここでは、あえて新型アルファード/ヴェルファイアのネガティブな部分にフォーカスしてみたい。
注意点1:「良いクルマ」より「売れるクルマ」を優先
アルファード/ヴェルファイアは、これまでも「良いクルマづくり」より「売れるクルマづくり」を優先させてきた。そのために高価格車ながら販売は絶好調で、新型ではその改善に力を入れている。
「売れるクルマづくり」の要素の1つに、「ノア」「ヴォクシー」と比べて約70mm高いフロア(床面)と、40~50mm上まわる全高がある。クルマのフロアと全高は、必要な室内高と最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)が確保されれば、低いほど好ましい。
フロアと全高が低ければ、乗降性が良くなるだけでなく車体の重心も低くなり、走行安定性と乗り心地も向上する。空気抵抗も減って、燃費にも優れた効果をもたらす。
ところが新型アルファード/ヴェルファイアは、プラットフォームを刷新したのにフロアも全高も下げていない。開発者にフロアを下げなかった理由をたずねると、「見晴らしの良さがお客様から高い評価を得ているため」と返答された。
これが「良いクルマづくり」よりも「売れるクルマづくり」の実態だ。
フロアと天井が高ければ、走行安定性や乗降性などさまざまな点で不利になるが、乗員の見晴らしの良さやフロントマスクの存在感といった情緒的な価値は高まる。売れ筋価格帯が約500万円という高額車種であるにもかかわらず、先代アルファード/ヴェルファイアがベストセラーとなったのは、その結果である。
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