アル/ヴェル「買う前に知りたい」10の注意点 あえて伝えるネガティブポイントとベストバイ

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ここまでは車体構造からの注意点を解説してきたが、ここからは室内の使い勝手について見ていきたい。

注意点5:オットマンが過剰に持ち上がる

まずは、2列目シートに装着されるオットマン(膝から先を支えるクッション)が、過剰に持ち上がる点だ。背もたれを後方に倒すと、寝そべる姿勢を取れてしまう。

トヨタによるリクライニングのイメージ(写真:トヨタ自動車)
トヨタによるリクライニングのイメージ(写真:トヨタ自動車)

「安楽でイイじゃないか」と思われそうだが、寝そべった姿勢で万が一、衝突が起これば、シートベルトが体を正常にホールドできず、体がシートの下側へ深く潜り込むと同時に、シートベルトによって腹部を圧迫される危険も伴う。

走行中、背もたれは過度に寝かさず、周囲の風景が見える程度の角度に留めておきたい。また、オットマンも踵が床に付く高さで使おう。ベッドに寝ているような姿勢は、衝突時にさまざまな危険を生じさせるから注意したい。

アルファード/ヴェルファイアに限らず、オットマンのついたクルマに乗るときは、この点に気をつけてほしい。

注意点6:3列目シートの着座姿勢

アルファード/ヴェルファイアは、豪華なインテリアを持つLサイズミニバンだから、一般的に3列目シートも快適だと認識されている。たしかにノア/ヴォクシーなどに比べると頭上や足元は広いが、シート自体の快適性にも注目したい。

2列目シートに注目しがちだが3列目にも注目したい(写真:トヨタ自動車)
2列目シートに注目しがちだが3列目にも注目したい(写真:トヨタ自動車)

アルファード/ヴェルファイアの3列目シートは、左右に跳ね上げて格納するタイプのため、2列目シートに比べると座り心地や着座姿勢が犠牲になっているのだ。新型になり、座面の柔軟性が増して骨盤の支え方も向上したが、それでも2列目シートには及ばない。

フロアと座面の間隔も乏しく、腰が下がり、足を前方へ投げ出す座り方になりやすいのも不満だ。座面の長さ(奥行寸法)も2列目は510mmあるが、3列目は450mmに留まる。3列目でも2列目に近い快適性を備えたミニバンは、日本ではトヨタ「グランエース」のプレミアムのみだ。

また、3列目シートを後端までスライドさせると、乗員の頭部がリアウインドウに接近するため、追突されたときの不安が生じる。

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