精神科10年通院うつ病患者を治した"意外な治療" 高血圧や気管支喘息の原因は「無呼吸症」かも?
精密検査であるPSGは、以前は病院への検査入院が必要で、長い検査待ちが生じていた。今では、どちらの検査も自宅で行えるようになっており、とても便利になった。
CPAP治療では、鼻や口にマスクを装着したまま就寝する。眠っている間も気道の中につねに圧力をかけておくことで、舌が垂れ込んで気道が閉じてしまうのを防ぎ、無呼吸を防ぐ。圧力がかかっていて苦しくないか?とはよくいただく質問だが、いまの機械は優れており、息を吐くときには、すこし圧が下がって呼吸しやすくなっており、不快感は極めて少ない。
機械は医療機関を通じてリースする形となり、リース料は外来での診察代に含まれているので、医療費のほかに特別な費用がかかることはない。治療代は3割負担で4050円となり、そのほかに再診料がかかる。最新のCPAP治療機器はモデムが内蔵されていて、医師が治療データを遠隔モニタリング可能だ。
基本的には毎月通院して治療状況の確認を受けるが、通院が難しい場合は、3カ月分までは健康保険の支払い対象となる。また、忙しい人はぜひ、オンライン診療で対応している医療機関を選ぼう。足を運ぶ頻度が大幅に減らせて、継続しやすくなる。
まだまだ埋もれているSAS患者
SASについて、世間の認知が上がったとはいえ、正しく診断されていない方が多い。日本呼吸器学会によると、SASは成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられ、男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加する。ほかの推計では、日本にはSAS患者が940万人いるが、CPAP治療を受けているのは65万人に過ぎない。つまり、ほとんどのSAS患者は正しい診断や治療を受けていないことになる。
原因の1つには、医師がSASやCPAP治療について知識がないことが要因だ。医師が初期研修や後期研修でSASの診断や治療を手掛けている医療機関で研修しないと、見たことがないからわからない、ということになる。高血圧の治療を受けているけどSASの検査を受けたことがない方はもちろん、鼻炎や喘息の治療を受けているけどよくならない、などの方も検査を受けたほうがいいだろう。SAS検査や治療を手掛けている医療機関を集めたサイト(睡眠時無呼吸なおそう.com、無呼吸ラボ)もあるので参考にしてほしい。
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