夏休み明け「子どものSOS」親が知らない"危機" 「想像以上につらい」この時期に知っておきたい

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では、もし子どもが「学校に行きたくない」と言ったらどうすればいいでしょうか?よくやりがちなのが、「ダメだよ、行かなきゃ」「何言ってるの、行くに決まってるでしょ」と一蹴して無理にでも登校させることです。

このように無理に登校させられた場合、子どもが学校で非常に苦しむ可能性があります。学校にも家にもいる場所がないということになって、最悪の結果を招く可能性もあります。

また、無理に登校させないまでも、子どもの話をろくに聞きもしないで「大丈夫だよ。困ったら先生に相談すればいいよ」「嫌なことされたら嫌って言いなさい」「○○すればいいじゃん」など、一方的に励ましたりアドバイスしたりするのもよくありません。

まずは子どものペースに合わせて話を聞く

いきなりこのように言われると、子どもは自分の気持ちを言えなくなり、ため込んでしまいます。

ですから、まずは子どもの話を「そうなんだ。それは嫌だね」「つらいね」というように、共感的に聞くことがとても大事です。親が焦ったりイライラしたりして語調がきつくなったりすると子どもは話しにくくなりますので、深呼吸して心を落ち着かせ冷静に聞きましょう。

「あなたにも問題がある」「やめてとはっきり言わないからだよ」などと、子どもを責めるのは絶対にやめましょう。それよりも、「よく話してくれたね。話してくれてよかった。話してくれてありがとう。お母さんとお父さんはどんなことがあってもあなたの味方だからね」という言葉も贈ってあげてください。

このようにたっぷり聞いてもらえれば、子どもは「自分のつらい気持ちがわかってもらえた」と感じることができ少しは気持ちが軽くなりますし、わかってくれた親への信頼感も高まります。

それにたくさん話を聞くことで親のほうにもいろいろな情報が入るので、状況がより理解しやすくなります。それによって、行きたくない原因がわかってきたり、対策が見えてきたりすることもあります。

ただし、子どもによっては話したがらない場合もあります。こういうとき無理に問い詰めたりすると逆効果になる可能性があります。その場合は、「いつでもお話聞くからね」「お父さん・お母さんはいつもあなたの味方だよ」と言ってあげましょう。そうすれば、親が気にかけていることが伝わりますので、子どものほうから話してくれるようになるかもしれません。

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