恐るべし!トヨタがあぶり出す「7つのムダ」 このカイゼンで、仕事はもっと楽になる

拡大
縮小

これはオフィスでも同じ。例えば、皆さん自身やあるいは周囲の同僚の方が、何度も同じミスを繰り返してはいませんか?チェックリストを作るだけで、この事態は防げるかもしれません。

「忙しくてそんな時間はない」と言われるかもしれません。でも、これから何度も同じミスに対応し続ける時間と、今何とか時間捻出をしてチェックリストを作成すること、皆さんはどちらがラクだと思いますか?

カイゼンは「分ける」ことからスタート

カイゼンのプロである弊社のトレーナーたちも、現場をただ見ているだけでそのポイントを見つけるわけではありません。彼らが口をそろえて言うのは、「分ける」「視点を絞る」の2つです。

ひとつ目の「分ける」とは、仕事を細かく区切ること。考える範囲を絞るのです。たとえば、「ボールペンで上手に文字を書くには?」と尋ねられたときに、「普通にペンを持って」という答えでは何もわかりません。しかし、「人差し指と親指の位置関係はこの位置で、ペンから1.5センチの場所を持ち、紙面から75度の角度で……」と細かく分けることで、「ペン先から2センチのほうがいい」という改善案も出てきます。

2つ目の「視点を絞る」というのは、ある限られた観点のみについて問題を見つけることです。たとえば、地面を見るだけでは何も見えなくても、「アリに注目してください」と言われると、急にアリがたくさん目に入ってくるはずです。詳細は後述しますが、ある特定の視点に絞ることで、問題点は見つけやすくなるのです。

それでは最初に、仕事を分ける3つの視点をご紹介します。

ひとつ目は「主作業」で、付加価値を直接生んでいる作業です。企画書作成の例で考えると、まさに企画書を書く作業。

2つ目の「付随作業」は、直接付加価値は生まないものの、主作業のために必要な作業です。企画書作成のためのインターネットでの情報収集や、社内の過去事例の精読などが該当します。

3つ目の「ムダ」は、なくしてもまったく主作業に影響のないもので、改善の主要ターゲットです。たとえば、内容説明のために上司を探す、上司に指摘された初歩的なミスを修正するなどです。

問題発見の視点1:7つのムダ 

「ムダ」に分類する内容ですが、以下の7つの視点で観察してみると問題が発見しやすくなります。それぞれについて、具体的な内容と改善のポイントをご紹介します。

次ページムダ、ムダ、ムダ!
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT