逆風ダイハツ、なぜ親のトヨタと超絶格差? 決算会見で社長が「厳しい」を連発
「暦年ではトップを取れなかったが、狙いどおり年後半に主力商品を投入し(年度ベースで)トップを取れた。嬉しい」
ダイハツ工業の決算会見で三井正則社長がわずかに頰を緩ませたのは、国内軽自動車のトップを守った話の時ぐらい。ほかは、終始厳しい表情で「厳しい」と連発した。
それもそのはず。ライバルのスズキに競り勝ったとはいえ、2014年度の国内販売台数は前期を下回った。海外ではインドネシアのルピア安が響き、全体の営業利益が前期比で2割強落ち込んだ。2015年度も約10%の減益見通しだ。三井社長は「外部環境は依然として厳しい。改革を推進するが、成果の刈り取りには今少し時間がかかる」と述べた。
国内は早期反転が期待できず
親のトヨタは2014年度に過去最高益を達成する見通しにもかかわらず、子のダイハツが厳しいのには、2つの要因がある。
ひとつは国内軽自動車市場の逆風だ。消費増税前の駆け込み需要で過去最高を記録した2013年度をピークに反動減に見舞われ、早期反転の兆しが見えない。2014年度の国内市場は4%減で、新型「ウェイク」や主力「ムーヴ」の全面刷新で年度ベースでは9年連続首位を死守したダイハツも、2%減の68.7万台となった。
増税後の反動減に加えて、この4月から保有にかかる軽自動車税が引き上げられたこともマイナス材料だ。日本自動車工業会では2015年度の軽市場全体を13%減で見ており、ダイハツでは8%減と予想。台数の伸びが見込めない中、弱点の首都圏での販売強化や修理用部品など、既存顧客向けのビジネスを深掘りで収益改善に努める。
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