逆風ダイハツ、なぜ親のトヨタと超絶格差? 決算会見で社長が「厳しい」を連発
もうひとつが海外市場での不振だ。メイン市場であるインドネシアは経済悪化と競争激化で2014年度は市場が7%縮小。ダイハツは5%減で踏みとどまったものの、苦しい状況に変わりはない。
これまで先行する日系各社の争いだったが、「(一時的な停滞があっても)この先は成長していくだろうから、欧米を含めて各メーカーが工場建設を進めている」(三井社長)というように、ライバルがさらに増えることで、さらなる競争の激化も予想される。
マレーシア市場は2%増と僅かに増加した一方、ダイハツが出資するプロドゥアの販売実績は前期並みで、波に乗りきれなかった。とはいえ、プロドゥアでヒット車も出るなど、明るさも見えている。インドネシアでは、市場、ダイハツとも低迷が続く。
ほかの自動車メーカーが、2015年度も為替による利益押し上げ効果を期待できそうなのに対し、ダイハツは足下で業績にマイナスに働く現地通貨安の進行も不安要素となっている。
超えられない株価2000円の壁

海外では、現地調達率の一層の引き上げによるコスト削減に加えて、今年5月から開始する中国での現地メーカー向け部品供給、トヨタの新興国向け小型車の新規開発といった新規事業も増やしていく。ただ、これらはすぐには数字として表れてこない。もうしばらく辛抱が必要だ。
先行きの不透明さは会社側の配当姿勢にも現れている。2014年度の年間配当は配当性向30%ちょうどの48円。2013年度、2012年度の56円から8円減らした。ダイハツは2015年度の配当予想について、中間、期末とも未定としている。期初の業績予想で配当性向30%なら42円と2期連続での減配となる。
2013年半ばに一時2000円を超えた株価はその後反落し、同年後半から現在まで2000円をずっと割りこんだまま。4月27日の決算で減益見通しを出したこともあり、翌28日の終値は前日比114円安の1702円となった。
内外の既存事業の強化や新規事業の拡大で利益が増益に転じるタイミングについて、三井社長は「早ければ早いほどいい。まだ仕込みの段階」と言うに止まった。仕込んだタネが開花し、具体的な数字に貢献しないことには、市場の評価もなかなか上向きそうにない。
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