有田哲平さん母、84歳で世界大会出場の「原動力」 巡ってくる"ツキ"を見逃さなければ、人生は楽しくなる
ただ参加するだけで楽しかった。若い頃に競い合っていた選手たちと数十年ぶりに会ったり、いろんな国や地域に足を運んだり、そういうのも楽しくて仕方がなかったですよ。
あとは何より水が好き、泳ぐことが好きなんだなと再確認しました。
若い頃と違って純粋に水泳を楽しめるようになったので、その後もあれこれ世界大会に参加していましたね。
体力が落ちても、ケガをしても、水泳はただ楽しいだけ
今年の世界マスターズは、私が住んでいる九州で開催されます。
海外の大会に出場するときは、成田空港から出発することも多かったので、行き帰りに息子の哲平のところに泊めてもらって、結果を報告したりもしていました。
今年は新幹線ですぐ行けちゃうので、日帰りで参加しようかなと思っています。
私の専門は平泳ぎなんだけど、今年は背泳ぎで参加する予定。
実は数年前に股関節を骨折してしまって。平泳ぎができなくなっちゃったんですよ。
なので、股関節に負担を掛けずに泳げる背泳ぎでエントリーしました。
今は関節を痛めているので、泳ぐ練習はできません。週に1回、プールの中を1000mくらい歩くだけ。水の中は陸の4倍の負荷がかかるので、4km歩くくらいの感じですね。
泳ぐ感覚は体が覚えてるので、練習で泳げないことに不安はありません。歩く練習も疲れませんよ。ただ気持ちがいいだけ。
「ケガしてまでどうして出るの? 高齢だと体力的にも大変じゃない?」なんて聞かれることもあるけれど、しんどさは全くないですよ。楽しいだけ。
キツイなとか、嫌だなと思うようになったら水泳は辞めるつもり。
若い頃はタイムにこだわって水泳がしんどくなってしまったので、今は水泳を嫌いにならないように、タイム目標は掲げないようにしているんです。
自分が楽しみ続けられる関わり方にできるように気を付けていますね。
私はもともと水泳選手なので、人に教わらなくても泳げる体がある。国内外どこに出ていっても安心して泳げる。
昔身に付けた基礎があるから、今純粋に水泳を楽しめるんだなぁと、つくづく感じますね。