最新版「業界地図」で読み解く花形&苦境業界 業界の盛衰の背後には5つの時代トレンドがある

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縮小

4つ目は「人口減少」だ。人口減少は内需縮小という需要側の問題と、働き手の不足という供給側の問題という2つの問題を引き起こす。

需要側で見ると、学習塾や百貨店、スーパー、ホームセンターなどの内需に依存する産業は人口減少の影響を避けられず、限られたパイを奪い合う構図。利益率も他業界と比較すると低水準だ。

一方、供給側を見ると、人手不足によって需要が伸び、利益率を高めているのが人材サービス業界となっている。

そして最後の5つ目のトレンドが「新型コロナの影響」だ。外出制限が打撃となった2020年度以降、レジャーや外食、鉄道などの関連業界は軒並み大赤字に陥った。

直近の2023年3月期では鉄道、ホテルやテーマパークなどは利益率が改善。一方、ファミレス・居酒屋やカフェなどは回復が道半ばで、利益率も他業界と比較して低水準だった。

業界の栄枯盛衰の流れ

より長期的な視点で見ると、一般的に業界は市場規模が小さく、利益率も低い左下のエリアで生まれ、徐々に稼げる企業が多くなると、左上のエリアに移動。市場規模が大きくなると右上に移り、参入企業が増えて競争が激化し、利益率が落ちると右下に移動。最後に需要自体がしぼんでいくと、左下のエリアに戻っていくという流れがある。

現在も商品やサービスの需要の変化とともに、新しい「業界」が日々生まれている。『業界地図24年版』ではAI、Web3、リスキリングなど新たに生まれた業界を取り上げている。

業界の勢力図は今後どのように変化するのか。最新版の『業界地図』を手に取って、ぜひ将来の花形業界、苦境業界に考えをめぐらせてほしい。

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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