「カローラ6種」それぞれ誰が買っているのか? セダン/スポーツ…モデル別購入者データ分析

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前有車がトヨタ車である人の割合は、カローラ(75%)、カローラツーリング(77%)、カローラスポーツ(69%)、カローラクロス(77%)、カローラアクシオ(84%)、カローラフィールダー(79%)とかなり高い。もっとも少ないカローラスポーツでも69%と高く、カローラアクシオは8割を超える。

ここまで、同メーカーからの乗り換えが多い車種もめずらしい。歴史とネームバリューのある、カローラだからこその結果だ。

車種別で見ると、カローラアクシオとカローラフィールダーはそれぞれ同モデルからの乗り換えが多い。

10年以上にわたって作られている車種だけに、同一モデルへの乗り換えが多いのも一因だといえるが、5ナンバーサイズのトラディショナルなスタイルにこだわりを持つ人や、大きな変化を好まず「同じモデルに乗り続けたい」と考える人が多いことも理由の1つだろう。

現在は法人向けが中心となるカローラフィールダー(写真:トヨタ自動車)
現在は法人向けが中心となるカローラフィールダー(写真:トヨタ自動車)

他のモデルではプリウスが1位か2位に入っているが、これはハイブリッドの選択肢が増えてきたことを意味すると考えられる。

カローラツーリングでは、3位に3列シートワゴンの「ウィッシュ」が入っているのが特徴だ。今、トヨタに背の低い3列シートはなく、3列シートを頻繁に使う人は「ノア」や「ヴォクシー」に、あまり使わない人がカローラツーリングへと乗り換えたと推察できる。

カローラフィールダーよりもスタイリッシュなデザインが特徴のカローラツーリング(写真:トヨタ自動車)
カローラフィールダーよりもスタイリッシュなデザインが特徴のカローラツーリング(写真:トヨタ自動車)

カローラクロスは、C-HRからの乗り換えが多い。C-HRは2016年に発売されたカローラクロスと似たサイズ感のSUVだが、デザイン重視のため後席や荷室が狭かった。ちょうど乗り換えのタイミングでもあり、C-HRユーザーがカローラクロスに乗り換えたことは、ごく自然なことだろう。

乗り換え需要を逃さないトヨタの強さ

歴史と伝統のあるカローラは、自動車の販売トレンドに合わせ複数のボディタイプをラインナップに加えてきた。その結果として、セダンやワゴンを好む既存ユーザーに加え、カローラクロスを通してSUV人気の受け皿もしっかりと用意し、販売を伸ばしている。

購入前に乗っていた車(前有車)で見たように、「トヨタ→トヨタ」の乗り換え需要を逃さずに、確実に販売へつなげるトヨタの強さがよくわかる結果となった。

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三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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