景気ウォッチャー調査の「景気判断理由集」では、下記のようなコメントがあった。
「猛暑による飲料関連の需要増加を期待したい」(輸送業〈営業担当〉)
「暑さの影響で季節商材が好調となっており、単価もメーカーの値上がりの影響で微増となっている」(家電量販店〈従業員〉)
「月末に近づくほど猛暑日が続いて、冷たい飲料、アイスクリーム等が大きく伸長し、購入客もかなり多い」(コンビニ〈経営者〉)
「猛暑の影響で外出をためらう人もみられる。暑い日の中心市街地は閑散としており、残念な結果となっている」(商店街〈代表者〉)
「猛暑で外出を控える人が増えており、例年の夏のような来客数まで伸びてこない」(美容室〈経営者〉)
影響は基本的には「まちまち」で、マクロでは重視する要因ではないだろう。
なお、筆者が行きつけの美容室で個人的に「景況ウォッチャー調査」したところ、「猛暑なので髪を切りたい人が多いようで、お盆前の予約は例年より多い」(美容室〈スタッフ〉)というものだった。
本家「景気ウォッチャー調査」のコメントにあった「猛暑で外出を控える」という可能性はゼロではないが、実際にはインフレ高進による節約の影響が大きく、それを「美容室〈経営者〉」が「猛暑」のせいにしているのではないか、と筆者はみている。
実際に、「暑」という単語を含んだコメントと含まないコメントの「現状判断DI」の間にはそれほど差はないことが確認されている。
猛暑は「マインド」には悪影響?
他方、「マインド」に与える影響は無視できないようである。
現状の結果ではなく先行きのマインドを示す「先行き判断DI」を比較すると、「暑」を含むDIが含まないDIを下回った。これは、記録的猛暑となった2018年以来のことである。
前述したように景気ウォッチャーが他の要因を「猛暑のせい」にしている可能性には注意が必要だが、「猛暑」が企業のマインドにネガティブな影響を与えている面はありそうである。「景気は気から」と考えると、「猛暑」の影響は無視できないかもしれない。
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