夏のゴルフで「薄毛」に気づく人も、AGA治療の現実 年齢や状況によっては治療が困難なケースも

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初めて相談にいらっしゃる患者さんを見て、「そんなに気にしなくてもいいのではないか?」と感じることもあります。しかし、とくに若いときは自分の容姿が過剰に気になるものです。

低年齢化が進んでいるが…

実際、低年齢化も進んでおり、10代の患者さんも増えています。ただし、AGAの治療薬は20歳未満での安全性および有効性は確立されていません。

先述したようにフィナステリド、デュタステリドは飲み始めて3〜6カ月でその効果を感じられるとされています。

フィナステリドの国内データ(414名の「日本人」男性を対象とした試験)では、

フィナステリド(1mg/日):48週間内服で58%の人で軽度改善以上の効果
フィナステリド(0.2mg/日):48週間内服で54%の人で軽度改善以上の効果
フィナステリド(1mg/日)を2年間内服した場合:68%の人で軽度改善以上の効果
フィナステリド(1mg/日)を3年間内服した場合:78%の人で軽度改善以上の効果

とあります。(参照元:臨皮,2006; 60: 521-530)

別のデータ(801名の「日本人」男性被験者を対象とした試験)ではフィナステリド(1mg/日)5年間の内服継続により効果が99.4%の症例で得られたとあります。

実際に当院の患者さんの場合も髪の毛が増えた患者さんのほうが多いのですが、実はここで言う「効果」とは必ずしも「薄毛が改善する」だけではなく、「現状維持」も含まれています。

また、40歳未満の症例、重症度の低い症例でより高い効果を示したとのことから、「若いうちに」「症状が進行する前に」治療を開始したほうがよいと考えられます。

もし、フィナステリド、デュタステリドを服用しても効果を実感できなかった場合、当院では血管拡張作用によって頭皮の血行を促進する「ミノキシジル」を配合した外用薬(塗り薬)を併用しています。

この塗り薬はAGAの保険適用の治療薬としては承認されていませんが、ミノキシジル含有液(AGAには5%含有、女性型脱毛症には1%含有)は頭皮に塗布する一般用医薬品として販売されていて、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」でも内服の有用性について、推奨度A(行うよう強く勧める)となっています。

薬局やドラッグストア、ネット販売などで購入することができます。当院でも海外医薬品としてより濃度の高い15%ミノキシジル含有液を処方しています。

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