夏のゴルフで「薄毛」に気づく人も、AGA治療の現実 年齢や状況によっては治療が困難なケースも
AGAの原因はジヒドロテストステロン(以下、DHT)という男性ホルモンの一種だと考えられています。一般的に男性ホルモンは筋肉の発達を促したり、髭や胸毛などの毛を濃くしたりする働きがありますが、このDHTは前頭部や頭頂部の毛に対しては、髪の毛の毛周期の成長期を短縮させ、軟毛化を引き起こします。
DHTは、男性ホルモンの一種であるテストステロンと、体内にある酵素の一種である「5α還元酵素」が結びつくことで生まれます。AGA治療には、この「5α還元酵素」に対する阻害剤が有効だと考えられています。
現在、日本国内でAGAの治療薬として承認されているのは、フィナステリド、デュタステリドという2種類の内服薬です。5α還元酵素にはⅠ型、Ⅱ型があり、フィナステリドは5α還元酵素II型だけをブロックし、デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型、Ⅱ型両方をブロックします。
またデュタステリドのほうが、5α還元酵素を阻害する効果が強いため、発毛効果が高いと考えられています。
臨床試験においてもデュタステリドを24週間服用した場合、フィナステリドに比べて発毛効果は約1.6倍、毛髪の太さは約1.45倍とするデータもあります。とくにデュタステリドは頭頂部の薄毛(O型)だけでなく前頭部の薄毛(M型)に効果があるといわれています。
知らない人が多い「継続治療が基本」の難しさ
患者さんには医療方針、リスクなどを説明し、同意を得たうえで薬を処方していますが、説明を聞いた後、10人に1人ぐらいの割合で治療を見送る方がいます。
その理由の多くは、費用負担が重いため、治療を続けるのが難しいという点です。
フィナステリド、デュタステリドともに「効果を得るためには、治療を継続することが基本」です。
服用をストップしたらふたたびAGAの進行が始まってしまいます。実際、抜け毛が減る、髪の毛のハリやコシが戻ってくるなどの効果が感じられるようになるのは、飲み始めて3〜6カ月後です。飲み続けることが重要な薬なのです。
そして、AGA治療は保険適用外のため、自費治療となります。当院では1日1錠服用でフィナステリドは月5500円、デュタステリドは月7480円で処方していますので、毎年、約7万〜9万円の費用がかかるわけです。継続による費用負担が大きいと感じる方がいるのは当然だと思います。
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