みんな口を揃えて言った。「ヒーローには会うな」。たいていがっかりして終わることになるから、と。
トニーに関して言えば、まったく逆だった。彼を知れば知るほど、彼は私に驚きと感動を与えてくれる。
まず状態を整えよ
これまでトニーから学んだ数々の教えの中でも、昨年私の頭の中をいちばん占めていたのは、「状態→物語→戦略」だ。
トニーは信じている。私たちは、気分が落ち込んでいるときには、問題にしか目がいかず、解決策がまったく目に入らない、と。
朝起きた時点で疲れ切っていて、まるで何かに圧倒されていると感じているとしよう。
そんな気分のまま机に座って、課題解決の方法を模索するために、ブレインストーミングを始めたところで、無駄に終わるだけで、その後で一層強く気持ちの落ち込みを感じることになるだけだ。
これは、君がネガティブな精神状態のままスタートしているのが問題で、そこから戦略を練ろうとしても、うまくいくはずがない(問題だけを、狭い視野でとらえてしまっている状態だ)。
そうなると、自然に自分を責める物語を作り出してしまう(例:「自分はいつもこうだ。どうして物事をありのままに考えられないくらい、とっちらかっているんだろう?」)。
この状態を修正するために、まず、あなたの「状態」を「整える」ことから始めなさい、とトニーは言う。
そうすると身体の内部で一種の化学反応が起こって、あなたはより生き生きした気分になり、実現可能な「物語」を思い描き始めるだろう。
そうなって初めて、「戦略」を考えるべきだ。そうすれば、行き詰まることもなく、いろんな選択肢が見えてくるから、と。
自分の状態を「シャキッとさせる」には、5~10回くらい腕立て伏せをしてみたり、20分間の日光浴なんかもいいだろう。
夜にどれほど真剣にエクササイズしたとしても、朝1~2分でいいから、徒手体操――ケトルベルスイングで身体を動かしたりしてもいい。
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