岸田政権の支持率「危険水域」で早期解散は"困難" 党・内閣人事について与党内で飛び交う臆測
岸田首相は休暇入り前日の8月10日、視察先の富山県で記者団に対し、9月中旬と見込まれている自民党役員・内閣改造人事について、「岸田内閣としては先送りできない問題に取り組み、答えを出していくことを基本姿勢としている。人事については、そのために適材適所、どうあるべきなのかということで考えていきたい」と思わせぶりに語った。
ただ、人事断行のタイミングについては「少なくともスケジュールについては何も考えていない」と語り、9月中旬までの1カ月間、党内状況を見極めたうえで決断する姿勢を強調した。
「党・内閣人事」で与党内に飛び交う臆測
そうした中、与党内ではすでに、党・内閣人事についてのさまざまな臆測が飛び交っている。その中でも注目はやはり、岸田政権の要職を占める茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長、河野太郎デジタル担当相、高市早苗経済安保相の処遇だ。
この4氏はいずれも「ポスト岸田の有力候補」(自民長老)で、「続投か他ポストへの移動か、あるいは無役かで、その後の党内政局が揺れ動く」(同)からだ。これまでのところ官邸周辺からは①茂木氏は再任②萩生田氏は他ポストの可能性③河野氏は当面留任④高市氏は無役――との人事構想が漏れてくる。
ただ、こうした構想も「岸田首相は最側近にすら本音を漏らさず、独りで考え、独りで決断する構えで、すべてはこれから」(岸田派幹部)とみられている。休暇入りまでの与党幹部や有力者との個別会談は「すべて岸田首相の強かな党内操縦術の一環」(同)というわけだ。
8月11日から夏季休暇に入った岸田首相は、相次ぐ台風襲来による交通機関の混乱や風水害対策のため、当初予定していた地方での休暇は断念し、公邸待機を余儀なくされている。
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