今からでもできる!暑すぎる夏の「住まい」の工夫 夏のリスクを考慮した家選びも重要になっている

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まず、窓辺に緑を配置すること。枝葉が日射を遮り木陰を作ることでリビングなどの快適性を高められる。また、庭も芝生で覆うことで、気温上昇を防ぐ効果を期待できる。これらは、とくに分譲戸建て住宅の善し悪しを見る判断基準になる。

太陽光発電を最大限に活用することも考慮すべき(筆者撮影)

ZEHなど太陽光発電を搭載する住宅なら、家庭用蓄電池をセットで導入することも検討してはいかがだろうか。蓄電池に太陽光の発電力をため、夜間に使用することで電気代削減ができるからだ。

国や自治体で蓄電池の導入に補助金が設けられているほか、最近は太陽光発電を含め初期負担なく(月々の分割)設置できるサービスなども登場しており、設置のハードルは以前に比べて低くなっている。これらは既存住宅でも対応可能なケースがある。

考慮したい集中豪雨のリスク

ところで、夏を基準に住宅取得・選びを考えていくと、これまでの価値観を改めることも必要な状況だ。代表的なのが「南向き住戸」。日当たりの良さから推奨されてきたが、日中の日当たりの強さと暑さを考慮すると、近年はむしろ「北向き住戸」のほうがよりいい住戸と言えるかもしれない。

価値観の変更を迫られる事態はマンションなど共同住宅でも言える。豪雨災害からマンションの電気系統に不調が発生し、上下水道やエレベーターが使えず生活に大きな負担を強いられる、などといった出来事も考慮に入れるべきだろう。

ちなみに、共同住宅だけでなく戸建て住宅でも集中豪雨の際にベランダに雨水がたまり、室内に水が流れ込むケースが近年、見られるようになった。雨水があまりにも大量で、想定されていた排水量を超えてしまうことがあるため、このような事態になってしまうのだ。

既存住宅では排水溝にたまった枯れ葉などを徹底的に取り除くことくらいしか対応策がないが、新築住宅では雨水がたまりにくいベランダの形状にする、またはそうなっている建物であるかを確認することでトラブル回避につなげられる可能性が高まる。

日本の住まいは古くから快適性を考慮するうえで「夏をもって旨とすべし」とされてきた。さらに、年々強まる地球温暖化の影響を考慮すると、災害リスクや家計防衛の観点も含め、私たちは夏への備えを重視した価値観を持って、今後の住まいと暮らしを考えていくべきではないだろうか。

田中 直輝 住生活ジャーナリスト

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たなか なおき / Naoki Tanaka

早稲田大学教育学部を卒業後、海外17カ国を一人旅。その後、約10年間にわたって住宅業界専門紙・住宅産業新聞社で主に大手ハウスメーカーを担当し、取材活動を行う。現在は、「住生活ジャーナリスト」として戸建てをはじめ、不動産業界も含め広く住宅の世界を探求。

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