気仙沼市本吉地区で集団移転に関する住民説明会、「歓迎」の一方、住居新築や雇用確保など難関山積
津波で壊滅的な被害を受けた地域の住民を対象に、 津波で壊滅的な被害を受けた地域の住民を対象に、高台などに移住することを促進するための国の事業の説明会が、東日本大震災被災地で始まっている。
気仙沼市本吉地区の小泉中学校では4月30日夕、同説明会が開催され、津波で家を失った約200人の住民が参加。気仙沼市都市計画課の職員から、事業について説明を受けた。
「防災集団移転促進事業」は、2000年3月の有珠山噴火や04年10月の新潟県中越地震などに際して、住居の移転で事業が実施された。
■気仙沼市立小泉中で開かれた住民集団移転説明会(4月30日)
■被災住民に説明する気仙沼市の佐藤清隆・都市計画課長
この事業は、市町村が事業計画を策定したうえで国が4分の3を補助するというもので、移転促進区域の住民の移転に際して住宅団地の整備などを進めていく。住民は土地購入や住宅建設で金融機関から借り入れをする際に、借入金利子相当額の補助を受ける。また、移転とともに新たに必要となる共同作業所や加工場、倉庫などの建設についても国が補助する。
一方、従来住んでいた地域では新たに住宅を建てることができなくなる。代わりにすべての宅地や農地を買い取ってもらう。