高すぎる日米の「株価崩壊」がゆっくり進んでいる 今後の日経平均株価は下落加速の局面を警戒

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とすれば、不幸にして筆者の見通しがこれから的中し、日経平均が2万7000円近辺に下がれば、そこはパニックになって株を投げ売りするような局面ではない。むしろ手持ちの現金から買い増しを図るべきだろう。今はとくに何もせず、じっと下値を待てばよいと考える。

もちろん、細かく時間分散して、今から少しずつ買い下がって行くことも望ましい。たとえば日経平均が3万2000円の時点で日本株を買い、その後日経平均が2万7000円に下がったとしても、そのまま放置すれば、今年末あたりから来年にかけては3万2000円超えが期待できる。

もちろん、どういう投資行動をとるかは、それぞれの投資家の自由であって、筆者があれこれ差し出がましく助言するようなことではない。余計なことを申し上げたかもしれない。

アメリカの国債格下げは深刻な悪材料だったのか?

以上が市場の全体観だが、この後は個別にアメリカ株や日本株をもう少し掘り下げたい。

最近、アメリカや他の主要国株に波乱をもたらしたのは、アメリカの国債格下げだった。具体的に言うと、1日のアメリカ市場の引け後(東部時間で同日の17時頃)に、格付け企業であるフィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」)が、アメリカの長期発行体格付けを、AAAからAA+へと1段階引き下げた。ただ、この材料は、想定外でも驚愕するような内容でもまったくなかった。

まず、格下げ自体、フィッチはすでに5月下旬に格付け見通しを「ネガティブ」としていた。これは「将来格下げを行なう方向で検討している」という意味だ。格下げの日のタイミングこそ予想されてはいなかったものの、あらかじめ格下げ予告をしていたフィッチが、それを実行したにすぎない。

また、今回の格下げで「アメリカ国債はデフォルト(債務不履行)の危機に瀕している」などと考える人はいないだろう。アメリカから他国の国債に大量に資金を移す投資家もいないだろう。

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