「世界の50選」に上り詰めた名古屋の見違える変貌 「魅力に乏しい都市」から京都と並んで選出へ

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インバウンド需要を当て込んで2019年ごろから名古屋圏ではホテルの開業ラッシュが続き、2019年から2022年の4年間で部屋数は約9800室増加した。

今後の新規開業予定を見ても「(仮称)ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋」(2024年2月/246室)、「(仮称)ホテルルートイン藤が丘駅前」(2024年11月/230室)、「コンラッド名古屋」(2026年夏/166室)など、大型ホテルが次々と竣工する予定だ。ルートインの開業地、名東区藤が丘はジブリパークにほど近いロケーションである。

超高級ホテル建設に当たっては県と市が補助金制度を準備した。「高級ホテル立地促進補助金」で、県と市が建設費としてそれぞれ10億円を補助する。7月に開業したTIAD、2026年開業予定の「コンラッド名古屋」、2025年春開業予定の「(仮称)エスパシオ ナゴヤキャッスル」(108室)がその対象となった。

これらのホテルは、①客室の平均面積45平方メートル以上、 ②スイートルームの室数は総客室数の5%以上、国賓級の要人に対応できる室(おおむね100平方メートル以上)の設置、③客室数150室以上などの要件を満たした超高級ホテルだ。行政がタッグを組んで名古屋の国際化を図っているということだ。

国際化では後れをとる

では、名古屋の国際化の現状はどうなっているだろうか。日本政府観光局のデータによると、2022年の外国人延べ宿泊者数は約34万人泊で、東京都678万人泊、大阪府213万人泊、京都府141万人泊に比べてまだ圧倒的に少ない。

ちなみにコロナ前の2019年は363万人泊(東京都は2935万人泊)で、県は2023年の目標値を365万人泊としている(あいち観光戦略2021-2023)。国際会議は健闘していて、東京23区の561回(2019年)に対し、名古屋市は252回となっている(開催が多い他の都市は神戸市438回 京都市383回 福岡市313回など)。

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