「世界の50選」に上り詰めた名古屋の見違える変貌 「魅力に乏しい都市」から京都と並んで選出へ

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空港の利用状況はどうか。直近のセントレア(中部国際空港)の国際線の外国人客(4~6月)は37万人強で前年比では3.37倍に急増しているが、2019年度の93万人までは回復していない。5月だけで75万人が利用した羽田空港は前年比16倍の伸びである。中国が訪日団体旅行を解禁したことで、今後セントレア利用客が急激に回復するかどうか。

インバウンド客はまだ少ない

8月上旬、名古屋の街を歩いてみた。駅直結の高級ホテルでは裕福そうなアジア系の親子連れが街へ繰り出すところだった。栄では欧米系の若いカップルがテレビ塔をバックに記念撮影をしていた。所々でインバウンド客の姿を見かけるが、その数は東京や京都とは比べ物にならない。

インバウンド人気という意味ではまだまだといった感じだが、期待を抱かせる情報もある。月間250万人以上の台湾人、香港人が利用する訪日観光メディアによると、愛知県関連では、名古屋「吉卜力公園」(ジブリパーク)の案内情報や名古屋出入口「新特麗亞中部國際機場」(セントレア)の紹介情報、「兩天一夜行程推薦! 名古屋城、大須商店街…」という名古屋モデルコースなどの記事の人気が高いという。

セントレアには香港からは香港航空、キャセイパシフィック、香港エクスプレスが、台北からはピーチ、タイガーエア台湾、バティックエアーマレーシア、チャイナエアラインが、高雄からはタイガーエア台湾が乗り入れている。

北京や上海など中国各地、ソウル、バンコク、マニラ、クアラルンプール、ハノイ、ホーチミンなどアジアの諸都市とも直行便が運航中だ。SNSを中心にジブリ、名古屋グルメ、ホテル、文化遺産などの「名古屋」発の情報発信をうまく行っていけば、”NAGOYA”の認知度が高まり、観光地として人気になるのではないか。

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