京都市から若者と子育て世代が離れていく理由 インバウンド誘致に奔走も市民の流出止まらず
京都市の人口減少が耳目を集めている。総務省の住民基本台帳に基づく人口で、令和2年、3年と年間の減少数が2年連続で日本一となったためだ。千年の都で、いったい何が起きているのか。
京都市の直近の人口は、2023年4月1日時点で138万1822人。2013年から4万人弱の減少となっている(下グラフ)。
(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
この10年あまりで見ると、緩やかに減少が続き、コロナ禍の2020年から2年間の減少幅が大きくなった。
市議会では人口減少対策が毎回大きなテーマとなり、門川大作市長も「人口減少問題はわが国においても京都市においても喫緊の課題」(3月の定例会見)との認識を示している。
合計特殊出生率は政令指定都市の中で19位
人口減少対策に取り組んでいる京都市は昨年12月、「京都市の人口動態について」という報告書を公表した。この中で、まず注目したいのが自然動態である。2005年以降、死亡者が出生者を上回る自然減が続いている。2022年は死亡者が出生者(8591人)の約2倍にまで膨れ上がった。
1人の女性が生涯に生む子どもの推計人数をあらわす合計特殊出生率は、2020年に1.15まで低下。20の政令指定都市の中で19位と、全国平均を大きく下回る数値となっている。将来の人口減につながる指標だけに、これは深刻だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら