アメリカ企業で増える「トップガン系CEO」の実態 仕事は戦争!マッチョな軍隊式経営がカムバ

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不確実で不安定な状況への対応を幹部に訓練するために、何百という会社が戦闘機パイロット用のシミュレーターや軍隊の規律、さらにはNASCAR(アメリカのストックカーレース)のピットストップ作業を用いた型破りの研修プログラムを取り入れるようになっているのだ。

女性もこうした研修には参加可能だし、現に参加しているのだが、経営の専門家たちはプログラムを提供している企業の多くが男性によって経営されている点を懸念する。

働く人々が求めているのは共感型のリーダーであって、攻撃的なリーダーではないからだ。今年、フォーチュン500に選ばれた企業のうち、女性が経営者となっている会社の割合は10%をようやく超えたところにすぎない。

「多くの人々が求めているのは人間性重視で共感型の協働的なリーダーシップだが、それに沿う動きだとは思わない」とヨストは話す。

コロナ禍を経て広まる「男臭い」企業研修

混乱を経験した企業が、ときに極端な方法で管理の見直しを進めている——。かつて海軍特殊部隊に所属したジョッコ・ウィリンクのような退役軍人は、そんな話を聞いても驚かない。

「新型コロナウイルスのパンデミックによって、優れたリーダーシップが必要だということがあらわになった」とウィリンクは言う。「従業員が出勤せず、日常的に顔を合わせることがなくなると、分散型の優れた指令系統が必要となる。これは戦闘時のリーダーシップのあり方として昔から言われていることだ」。

海軍特殊部隊の英知が製品のリリースに活用できるかどうかははっきりしない。それでも、マッチョな経営スタイルは広がりを見せており、企業はZoomの画面を使わない従業員訓練を盛んに導入するようになっている。レーシングカーのピットストップ作業も、その1つだ。

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