「織田信雄」秀吉に操られ天下の趨勢を変えた道化 秀吉に利用され続け、家康に助けを求めた男

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信雄は暗愚と評価されることの多い人物です。

これは天正伊賀の乱の失敗が大きいと思われますが、それ以外にも、信雄は暗殺や騙し討ちといった陰湿な策を多用したことが、世間にいい印象を与えられなかった要因として考えられます。

NHK大河ドラマ『どうする家康』 松本潤 徳川家康
圧倒的な秀吉の軍勢に家康は、どう対抗するのでしょうか(画像:NHK大河ドラマ『どうする家康』公式サイト)

利用され続けてきた信雄の決断

血の繋がらぬ関係とはいえ弟を殺し、その後も秀吉の策に踊らされ、大切な自分の重臣を騙し討ちで殺してしまいます。信雄の前半生は血塗られていたといってもいいでしょう。

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信雄は幼くして北畠家に養子に出され、しかもその存在をよく思わない家臣団も多く、つねに緊張した状態で育ったのでしょう。信雄は怪しいと思うと、すぐに家臣を殺してしまう傾向がありました。

父の手元で育った兄・信忠にはそういった事実はなく、家臣との関係もよかったことを考えると信雄には同情すべき点もあります。父に利用され、父の死後は秀吉に利用される人生でした。その信雄が己の意思で秀吉と戦うことを決めたのは、大きな転機だったのかもしれません。

その信雄の背中を押したのは、家康でした。

眞邊 明人 脚本家、演出家

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まなべ あきひと / Akihito Manabe

1968年生まれ。同志社大学文学部卒。大日本印刷、吉本興業を経て独立。独自のコミュニケーションスキルを開発・体系化し、政治家のスピーチ指導や、一部上場企業を中心に年間100本近くのビジネス研修、組織改革プロジェクトに携わる。研修でのビジネスケーススタディを歴史の事象に喩えた話が人気を博す。尊敬する作家は柴田錬三郎。2019年7月には日テレHRアカデミアの理事に就任。また、演出家としてテレビ番組のプロデュースの他、最近では演劇、ロック、ダンス、プロレスを融合した「魔界」の脚本、総合演出をつとめる。

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