物流コンテナ、実は「中国が製造シェア98%」のなぜ 生産拠点となるためには3つの条件がある
保有コンテナ約710万TEU(「TEU」は20フィートコンテナを1個とした単位)、28%のシェアを持ちトップシェアのトリトンと、約440万TEUのコンテナ、17%のシェアを持つテクステイナーはともに、法人税の存在しないバミューダに本拠地を置いています。
3位のフローレンスは約390万TEUで15%のシェア。同社は香港を本拠とし、中国国有の海運会社コスコの傘下にあります。
4位のCAIとビーコンのシェアは合わせて15%、330万TEUで、いずれも三菱HCキャピタルの傘下にあり、アメリカに本拠を置いています。両社は2022年10月に合併を発表し、2023年1月にCAIを存続会社とする新体制となっています。
5位のシーコのシェアは10%で、240万TEUのコンテナを保有しています。同社はもともとGEキャピタルとシーコンテナ社の合弁事業として始まったものの、現在は中国のリース会社、渤海リースの傘下にあります。さらにアメリカに本拠を置くシーキューブのシェアが5%です。
主な製造国は時代とともに変遷
コンテナの製造はいまでは中国が98%のシェアを占めていますが、時代とともに主な製造国は変遷してきました。
コンテナ化の始まった国ということもあり、もともとコンテナの製造はアメリカに集中していましたが、1970年代には日本での生産が増えて圧倒的なシェアを占めるようになります。当時は日本国内にコンテナの生産業者が20数社あったくらいです。
横浜市のコンテナ販売及びリース会社、EFインターナショナルの中尾治美氏によると、当時は重工系メーカーがコンテナ生産を手掛けることが多く、日立造船は舞鶴で、川崎重工は坂出でそれぞれコンテナを生産していたほか、日本フルハーフや不二サッシ、西武建設などがコンテナ生産を手掛けていたとのことです。
1980年代後半、プラザ合意以降の円高が進んだ時期に韓国の製造シェアが増加しました。当時は世界のコンテナの70%以上を韓国企業が生産していたのです。そして中国におけるコンテナ製造業は1990年代に始まり、経済成長に合わせて急速に生産量を増やしました。
2002年には中国メーカーがコンテナ市場の90%のシェアを獲得するまでに規模を拡大して、現在に至っています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら