中国の輸出拡大が「需要息切れ」でピークアウト コンテナ運賃の指数先物は高値から7割暴落

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好調が続いていた中国の輸出にピークアウトのサインが灯った。写真は中国有数のコンテナ港である広東省深圳市の塩田港(同港の運営会社のウェブサイトより)

2024年の中国の輸出は年初から好調に推移してきた。海関総署(税関)のデータによれば、1月から8月までの中国からアメリカへの輸出額は前年同期比2.8%、EU(欧州連合)への輸出額は同0.8%それぞれ増加。輸出単価の大幅な下落を加味すると、数量ベースの輸出の伸びはもっと大きい。

だが、ここにきて輸出の先行きに暗雲が漂い始めた。アメリカの貨物フォワーダー(仲介事業者)のフレックスポートは9月9日に発表した市場レポートの中で、「アジアから北アメリカへの貨物出荷は引き続き活発だが、アメリカの在庫は適正水準に達しており、今後数週間のうちに輸送需要が弱含む可能性がある」と予想した。

欧州向けコンテナ発送が減少

ヨーロッパ向けの輸出は、北アメリカ向けに先駆けて息切れを示している。イギリスの調査会社CTSのデータによれば、東アジアからヨーロッパに向かうコンテナ発送量は2024年6月まで16カ月連続で増加していたが、7月の発送量は158万TEU(20フィートコンテナ換算)と前月比0.5%減少した。

その要因は、中東情勢緊迫の影響による輸送需要の一時的な増加がピークを過ぎたことにある。中国の先物取引業者の華泰期貨は、調査レポートの中で次のように予想した。

「ヨーロッパのクリスマス商戦向けの出荷は、例年なら8~9月にピークを迎える。しかし今年は4月から前倒しで出荷が始まったため、9月以降の中欧間のコンテナ貿易は例年より低調になるだろう」

(訳注:イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争をきっかけに、東アジアからヨーロッパに向かうコンテナ船の大半が航路をスエズ運河経由から喜望峰回りに変更した。その影響を緩和するため、ヨーロッパの輸入業者の多くが輸送の前倒しや在庫積み増しに動いていたとみられる)

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