2023年初めから低迷が続いていた中国の欧米向け輸出。そのうちアメリカ向けに回復の兆しが見えてきた。
上海航運交易所が発表する上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は10月13日、2020年5月以来の低水準となる891.55ポイントをつけた。
ところが、同日付の上海発北米行きの運賃は40フィートコンテナ1本当たり1735ドル(約25万9000円)と、前週より0.3%上昇。3月時点の1100ドル(約16万4000円)から6割近く上昇している。コンテナ運賃は貿易動向の先行指標として動くだけに、先行きが注目される。
コンテナ輸入の4割が中国から
アメリカの中国からの輸入需要は旺盛だ。市場調査会社のデカルト・データマインのデータによれば、アメリカが9月に中国から輸入したコンテナの数量(20フィートコンテナ換算)は前月比4.2%増加。全世界からの輸入数量の39.3%を占め、2022年8月以降で最も高いシェアを記録した。
それとは対照的に、10月13日付の上海発ヨーロッパ行きの運賃は20フィートコンテナ1本当たり562ドル(約8万4000円)と、前週より6.2%下落して2016年6月以降の最安値をつけた。
ヨーロッパの輸入需要の先行きは、アメリカと比べて楽観できない。ロシアのウクライナ侵攻やインフレなどが、欧州経済に深い打撃を与えたからだ。市場調査会社のIHSマークイットが発表した9月のユーロ圏の製造業PMI(購買担当者景気指数)は43.4と、好不況の目安である50を大きく下回っている。
(財新記者:李蓉茜)
※原文の配信は10月13日
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