コロナ禍で一時大きく落ち込んだ中国と海外を結ぶ国際航空便。その運航本数の回復が遅れている。
中国の航空情報アプリ、航班管家(フライトマスター)が発表した2023年9月のレポートによれば、世界の民間航空路線の運航本数は新型コロナウイルス流行以前の2019年9月の90.6%まで戻ったものの、8月の2019年同月比(91.4%)との対比では0.8ポイント低下した。
そのうち中国の(国内線を含む)運航本数は、9月は2019年の平均水準を上回ったものの、7月から8月にかけての夏季繁忙期が過ぎ去り、(コロナ流行前と比べた)回復率が大きく低下した。なかでもコロナ流行期の落ち込みが世界で最も大きかった国際線の回復率は、いまだ流行前の5割程度にとどまっている。
北米便の回復率は1割未満
注目されるのは、国際線の目的地によって回復の度合いに大きな落差があることだ。例えば、9月のイギリス便やイタリア便の運航本数は、すでにコロナ流行前を上回っており、スペイン便も約8割まで回復した。
一方、同じヨーロッパでもドイツ便の回復率は6割強、フランス便は3割強にとどまる。最も回復が遅れているのは北米便で、アメリカ便の回復率はわずか8.8%、カナダ便は9.6%と1割を切ったままだ。
「中国の運航本数の回復率は、総じて見れば世界のトップレベルにある。だが、それは中国の国内線の高い回復率に支えられたもので、国際線の回復率は依然として低レベルだ」。財新の取材に応じた航空業界専門のデータアナリストの李瀚明氏は、現状をそう解説した。
(財新記者:趙丹)
※原文の配信は10月09日
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