ヨーロッパ系の航空会社が、本拠地と中国を結ぶ航空路線を相次いで縮小している。10月に入り、LOTポーランド航空と北欧のスカンジナビア航空がその列に加わった。
LOTポーランド航空は10月下旬から2025年3月までの冬ダイヤの期間、ワルシャワと北京を結ぶ直行便の運航を休止する。ポーランドの現地メディアの報道によれば、その要因は航空券の販売不振だ。競合する中国系航空会社のほうが所要時間が短く、運航コストも低いため太刀打ちできないと判断した。
スカンジナビア航空も同様の理由で、コペンハーゲン-上海間の直行便の運航休止に踏み切った。両社の決断により、中国路線を縮小したヨーロッパ系航空会社は合計5社となった。
飛行距離が大幅に長く
こうした動きの先駆けになったのは、イギリスのヴァージン・アトランティック航空だ。同社は7月、1999年から25年間存続してきたロンドン-上海線の運航を休止すると発表した。これは同社が運航する唯一の直行便であり、中国路線から事実上撤退した格好だ。
翌8月には、同じくイギリスのブリティッシュ・エアウェイズがロンドン-北京線の運航休止を決定。さらに10月8日には、ルフトハンザドイツ航空がフランクフルトと北京を結ぶ直行便の運航を休止すると発表した。
ヨーロッパ系航空会社を中国路線の縮小に追い込んだ原因は、(2022年2月に始まった)ロシアのウクライナ侵攻にある。西側諸国とロシアの制裁の応酬により、ヨーロッパ系航空会社はロシア領空を避けて迂回しなければならなくなった。そのため中国路線の飛行距離が長くなり、所要時間と運航コストが大きく増加したのだ。
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