企業は、こういったSNSを通して、堅苦しくない社風や新しいものも積極的に取り入れる姿勢をアピールしたいと考えているのかもしれない。ただ、受け手である学生がそのSNSを見てどう思うのか、さらには出演してくれる新入社員は嫌々仕方なく協力してくれているだけではないのか、今一度検証してみたほうがいいだろう。
新型コロナ世代の悲哀
【佳作】をあと3作品紹介しよう。
就職活動で自己分析や企業選びに悩み、エントリーシートや面接で落とされる経験を通じて、就職するってこんなに大変なことなのかと初めて実感した作者。
それまで、楽しそうに働く両親の姿を当たり前のように見てきたが、そこに至るまでに両親もきっと同じような苦労を乗り越えてきたからこそ今があることを理解し、さらにはやりがいを持って働く両親の背中に「凄み」を感じたことを見事に表現している。
「4年春」には、4月1日現在で5割前後、5月1日現在には65%以上と就職内定率が高まる中、まだ内定のメドが立っていないもどかしさも含まれているのであろう。でも、内定の時期なんて、少しばかり人より遅くなったって構わない。両親のようにやりがいを持って働くことの大切さに気づいたことは価値ある経験だ。ぜひ自分の天職と巡り会ってほしい。
採用面接でよく聞かれる質問に「当社は第何志望ですか?」というものがある。「はい、第三志望です!」と答える学生なんているものだろうか。とりあえず内定が欲しい学生からすれば、面接を受けたすべての企業に対して「はい、第一志望です!」と答えざるをえないだろう。
「第一志望群」という、「第一志望」は1社ではないことを暗に含めた表現をすることもあるが、大して変わらない。1社で複数回の面接があることを考慮しなければ、面接が10社目であれば「10回目」、20社目であれば「20回目」となる。果たして作者は、「何回目」で本当の第一志望の企業と巡り会うことができたのだろうか。
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