「元は掃除好き」ゴミ屋敷で寝る30代女性の苦悩 だんだんと片付けられなくなってしまった経緯

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それに加えてゴミ出しの時間が指定されていたのでは、なおさらゴミを出しづらい。ほかの住人とかなりの確率でゴミ出しの時間が重なってしまうからだ。

片付けをしていたら隣の住人に壁を叩かれ、以来なかなか片付けができなくなってしまったという人もいた。だが、中には被害妄想に陥ってしまっている人もいるという。そう考えると、何らかの精神的な理由からゴミを出せずにいる人もいるかもしれない。

3年悩んだゴミ屋敷が5時間で空っぽに

玄関と廊下を空にして、洋室の片付けを進めていく。ゴミに埋まっていたテーブルやベッドが姿を出し、徐々に以前の生活が見えてきた。女性が長らく探していたものも次々と出てくる。その中には存在すら忘れていたものもあった。

「ここまでゴミであふれていたら、何が何かわからなくなる。見つかってよかったものもありました。母からもらったお守りとか。ちゃんとポーチの中に入れていたみたいで無事でした」(依頼者の女性)

ゴミに埋まっていたベッドが確認できるまでになってきた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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実に3年もの間、女性を悩ませていたゴミ屋敷だったが、2人のスタッフがあっという間にすべてのゴミを外に運び出した。かかった時間はたったの5時間だった。女性は1カ月後、職場の近くにある物件に引っ越しをするそうだ。

ゴミ屋敷連載
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「もうちょっと早くお願いしていたらよかったです。お願いするならできるだけ早いほうがいいかなと。自分でも泣くと思っていなくて。本当に救われました」

女性は涙を流しながらスタッフにお礼を伝えた。心に刺さっていたトゲが抜け、肩の荷が一気に下りた様子だった。

國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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