家に帰るのはいつも24時を過ぎてからだという。住み始めてしばらくはベッドの上で寝ることができていたが、2年目あたりからベッドがゴミの中に埋まってしまい、床で寝るようになった。さらにゴミが増えてくると床がまったく見えなくなった。
いったいどこで寝ていたのだろうか。彼女が指をさした先は、ゴミの上にできたわずかな「くぼみ」だった。
「こんな状態だから、体を横にして寝られないんですよね」
ゴミ捨て場にシャッターが下りていたりすることもある
女性の部屋にゴミが溜まり出したのは、ゴミ出しの時間がキッカケだった。看護師など夜勤の多い職業の人に多いが、物件の管理側から指定されているゴミ出しの時間にそもそもゴミを出せないのだ。これは、ゴミ屋敷になってしまうもっとも多い理由のひとつであると二見社長は言う。
「タワーマンションなど管理費が高い物件は24時間いつでもゴミを出せるようになっていることが多いです。でも、この女性が住んでいる物件のようにゴミ出しの時間がキッチリ決められているところもあります。指定日の前日の夜にゴミを出すことも許されていなかったり、その時間まではゴミ捨て場にシャッターが下りていたりすることもあります」
曜日も指定されていることが多いので、自分の都合とゴミ出しの日が合うかはもはや運である。その日が来るまでベランダなどにゴミを溜めておくしかないが、夜勤から帰ってきた後に大量のゴミをもってまた外に出るのはたしかにしんどい。
「仕事を大事にしている人や仕事が忙しい人は、自分のことを後回しにしてしまいがちです。いつかやろう、いつかやろうとズルズル後回しにしてしまい、気付いたらゴミ屋敷になってしまったのだと思います」(二見社長)
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