大手損保のカルテル問題に潜む「代理店」の暗躍 独禁法違反の常態化で問われる損保の「常識」
大企業と取引する共同保険は、基本的にその大企業の傘下にある保険代理店が仲介する。そのため、損保が代理店の担当者を通じて他社の保険料を聞き、価格水準が自分たちだけ乖離しないようにするといった行為が、「常態化していたようだ」(金融庁幹部)。
疑義案件は膨大な数に上るおそれがある
損保が厳格に調査すれば、金融庁へ報告すべき疑義案件は数十件ではとどまらず、膨大な数に上るおそれがある。
さらに言えば、代理店自体が保険料調整を主導するケースも少なくない。複数の関係者によると、成田空港の企業財産包括保険(火災保険、幹事会社:三井住友海上)がまさに典型的な事例だという。
昨秋の契約更改に向けた入札にあたって代理店が、三井住友海上、損保ジャパン、東京海上の3社と連絡を取り合い、他社が提示しようとしている保険料をそれぞれに伝え、入札価格が乖離し混乱しないように調整していたとみられる。
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