橋梁流出で廃線、高千穂鉄道「代替路線」の現在 たび重なる災害でバスも運行の確保に苦労する

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現在、延岡駅―高千穂バスセンター間の路線バスは、旧道(県道237号)経由とバイパス経由の両系統が交互に、合わせてほぼ1時間ごとに1日13往復が走っている。これは高千穂鉄道の最後のダイヤと運転本数の上では等しい。ほかに、延岡―熊本間の特急バス「たかちほ号」も、途中停車するバス停は限られるものの延岡―高千穂間でも利用可能だ。

延岡駅前
延岡駅前の高千穂方面行き乗り場(筆者撮影)

ただ、訪問した7月14日には日之影町内の県道237号で大型車の通行規制があり、槇峰―日之影町立病院間は全便ともバイパス経由で運行されていた。旧道経由の方が所要時間が17分ほど長いため、時間調整を行いつつ走っている。

観光色豊かな代替バス

JR延岡駅は2017年にJRの新駅舎、翌年に待合室や書店などがある複合施設「エンクロス」がオープンし、面目を一新した。バス乗り場も駅前広場の南北2カ所に設けられている。延岡市内路線や近郊へ向かう路線のほとんどが、南側のロータリーに発着するのに対し、高千穂へ向かう路線だけが、長距離高速バスとともに北側のロータリーに発着する。他の路線と比べ内外の観光客の比率が高いと思われるだけに、この措置は案内上、わかりやすい。

まず延岡駅8時45分発(旧道経由)のバスに乗ると、やはり観光客らしき人が座っていた。車内の自動放送にも英語、ハングル、中国語が添えられている。空港からも新幹線駅からも、さほど近いとは言えない土地だが、渓谷美や神楽をはじめとした高千穂の人気の高さがさっそくうかがえた。

高千穂行き宮崎交通バス
旧道を経由し高千穂へ向かう宮崎交通バス(筆者撮影)
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