さらに、「日経ヴェリタス」(7月23日号)の日銀関連記事でも「半数が政策変更を予想」と書いてあるが、全員外資系である(SMBC日興証券の関係者も外資系に入れたが、彼らはもともとシティグループ系で外資系の文化が残っている)。
ここで興味深いのは、ストラテジストやエコノミストの国籍や育った環境とは無関係に、日本で生まれ日本で育ち、日本で日本国債を30年見てきたアナリストであっても、外資系に所属しているとほとんどが「7月28日の政策変更は絶対ある」と言い、逆に日系の組織のアナリストだとほぼ「絶対ない」と断言する点だ。だから、言語や個人的な人脈などの影響で見方が異なるのでもないし、情報格差があるわけでもなさそうだ。
しかし、28日の発表が近づくにつれ、少しずつ憶測情報が広がった。情報漏れではないと思うが、直前のいろいろな報道が出てくるにつれ、市場の国債金利も変更なしのほうに傾き始め、為替もドル高円安に振れ、1ドル=140円台を回復した。
「小幡の仮説」は1~4のうちどれか
やはり、外資系はまた間違ったのではないか。実はこの部分は27日木曜日の午後1時ごろに執筆している。28日の発表はサプライズになるかもしれない。しかし、この時点では、外資系の人々も、日系の人々の見方に合わせてきて、ほぼみな変更なしに傾いているようだ。したがって、サプライズがあったとしても、外資系も日系も両者サプライズ、となるはずである。
なぜ彼らは間違うのか。外資系関係者自身の感想は、前出の仮説1であろう。「本当に、日銀はわけわからん。YCCをやめる大チャンスなのに、なぜしないのか。変更しないことで何のメリットがあるのか。現政権も変更を望んでいるのに、なぜあえて歯向かうのか。日銀にとっても政策変更しないことはリスクが高まるばかりで何の得もしない。アホなのか?」という気持ちに違いない。
そして、仮説2はない。明らかに彼らは合理性、ロジックで商売をしているし、華麗なる経歴だし、知識レベルも高い(はずだ)。
私の仮説は3である。「彼らは日銀の政策を当てる気がないから」だ。彼らは、植田総裁の説明をまったく聞いていない。素直に植田総裁の話を聞いていれば、「YCCには副作用はある。副作用が大きくなるようなら、政策変更が必要だ」と言ってきた。
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