ハーバードの研究で判明「幸福な人生の重大要素」 84年にわたり2000人以上を追跡調査した結果

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いちばん良好な関係すら、付き合い方のマンネリ化のせいで以前のように元気をもらえなくなっていることに気づくかもしれない。そこで、筆者らが研究と臨床の両方を通して見つけた、生き生きとした関係を取り戻すための効果的な人付き合いの原則を紹介する。

提案1 寛大になる

人間関係への無力感や絶望感への対処法の1つは「自分がしてもらいたいことを相手にする」という考え方だ。相手の自分に対する関わり方は変えられなくても、自分が相手にどう関わるかは変えられる。自分が受け取れていない支えはあるかもしれないが、自分がそれを他者に与えられないわけではない。

他者を助けることは、その人自身の利益になる。寛大さと幸福の間には、客観的かつ直接的な関係がある。神経科学や実際の行動の面からも説明可能だ。寛大な行動は、脳内にいい気分を生み出すし、いい気分になれば、また他者を助けようという気持ちになりやすい。寛大さは心の上昇スパイラルを生む。

人間関係がもたらす支えに関する質問にもう一度立ち返り、自分に正直になり、逆の立場から答えてみよう。自分はそうした支えを他者に与えられるだろうか? もしそうなら、誰に対して? もっと支えたい相手はいるだろうか?

他者との関わりをするうえで大切なのは?

提案2 新しいダンスのステップを習う

何ごとも、繰り返し練習すれば上達する。自分のためにならないことでさえ、気づかないうちにうまくできるようになってしまう。

他者との関わりは人の感情を強く揺さぶる。人との交流はうれしいことや人生の意味をたくさんもたらすが、失望や痛みをもたらすこともある。私たちは愛する人に傷つけられる。相手に失望させられたり、捨てられたりしたときには、心に鋭い痛みを感じるし、相手が亡くなれば大きな喪失感を覚える。

人間関係のネガティブな側面を避けたいという欲求は、合理的だ。だが、他者との関わりから何かを得たいならば、ある程度のリスクは受け入れなければならない。また、進んで不安や恐怖の先にあるものに目を向ける必要がある。

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