YouTube婚活で結婚、42歳女性が幸運を掴めたワケ 「ヤバいぐらい趣味が合う夫」との日常

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「30代までは結婚するとしたら相手に経済的に頼りたいという気持ちがありました。私は社会に不適合気味で、会社勤めも好きではないからです。でも、人付き合いもなんとか頑張っていますし、自分のお金があることは大事だと今では思います。そんな私が男性に求めるものは一緒にいて面白い、しかありません。夫のことはペットみたいな感覚です」

ペットみたいと言われた浩司さんは「オレ、そんなに面白い?」とやたらにうれしそうだ。彼にとっては最大の誉め言葉なのだろう。存在そのものを亜紀さんに認めてもらい、女性に対する卑屈さはほとんど消えている。そして、夢想していた「幸せな家庭」のイメージも現実的なものになった。

「子どもはほしいけれど、不妊治療をしてできなかったらそれがお互いにストレスになってしまいそうです。自然の流れでできなかったら養子をもらおうと思っています」

結婚相手に「面白さ」だけを求める余裕

仕事も趣味も興味の赴くままに追求してきた浩司さん。結婚相手がそれを認めてくれなかったらストレスを抱えてしまうという不安があった。しかし、彼の番組とツイッターを見て「ヤバいぐらいに自分と合う」と思って飛び込んで来てくれた亜紀さんとの生活では我慢することは何もないと言い切る。

「それぞれパチスロにも行っています。一緒に『稼働』することはありませんけど。僕はエンジョイ派なので負ける台でもかまわないのですが、妻は勝ちたい派なので期待値が高い台しか狙いません」

パチスロ用語を自然と使うあたり、浩司さんがリラックスして暮らしているのが伝わってくる。2人とも喫煙者なので、家では自由にタバコを吸っているらしい。

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年収はほぼ同じで、生活費はゆるく折半。亜紀さんが独身時代から住んでいる2DK賃貸マンションで一緒に暮らしているため、浩司さんが少なくとも6万円を亜紀さんに渡し、外食代なども浩司さんが払うという形だ。

浩司さんは土日も番組の収録があることが多く、平日も帰りは遅め。亜紀さんは先に夕食を済ませ、浩司さんは帰宅してから食べている。ライブや一人飲みも好きな亜紀さんが外出するのもまったく問題ない。

若い頃はそれぞれつらいことも多かった。それでもくじけずに努力し、自分なりの仕事と生活を築いた。だからこそ、結婚相手に「面白さ」だけを求める余裕が生まれ、自分もストレスフリーで暮らせている。出会い方は奇抜に見えるが、晩婚さんの王道を行くカップルだと感じた。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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