YouTube婚活で結婚、42歳女性が幸運を掴めたワケ 「ヤバいぐらい趣味が合う夫」との日常

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勢いはあるのに自信がない浩司さんにも問題があったのだと筆者は思う。そんな浩司さんは現在の勤め先と縁があり、面倒見がいい社長や先輩社員たちに可愛がられながら実績と自信を少しずつ積み上げている。

「先輩のディレクターから『お前の彼女を募集する企画をやったら面白いんじゃない?』と言われました。やるからには演者としてしっかり全うしなければなりません。応募してくる女性はすべてヤラセだと覚悟して臨みました。本気にして『はい、残念!』と言われたら、死にたくなるぐらい深く傷つくと思ったからです」

結婚相手の募集はYouTube番組で

筆者もその番組を見たが、社長と先輩たちは浩司さんを激しくいじりながらも、傷つけすぎないように配慮しているのを感じた。ヤラセでの応募は明らかにそれとわかる文面のみですぐに種明かし。そして、亜紀さんも含めて2名からの本当の応募があった。

「最初の対面は去年の6月です。そのときはヤラセだと思っていましたが、2回目に会ったときに野球の話で盛り上がり、それからはベイスターズの試合を観ながらLINEで感想を送り合うようになりました。彼女は“なんJ語”も使えるんです!」

なんJとは、ネット上の実況板のひとつ。浩司さんと亜紀さんによれば、自分たちを含むDeNAベイスターズのファンには「与党嫌いの天邪鬼。なんJ民」が多いのだという。ネットスラングの一種である、なんJ語を操るなんJ民は、実況好きなので野球ファンが多いらしい。

「例えば、『つらいさん』といえば広島の新井貴浩のことです。FA制度を行使して阪神に移籍したのは自分なのに『つらいです。カープが好きだから』という迷言を残したことから命名されました。他にもいろいろあって(中略)、僕たちベイスターズファンは勝ち試合でも素直に喜びません。試合内容についてあれこれ批評します。にわかファンとか流行りとかが根本的に嫌いです。僕たちは外から見ると相当に嫌な夫婦だと思います」

実際の大森夫婦は仲が良くてご機嫌な印象しか受けない。2人だけの会話をよく聞けば、「与党」への毒やブラックジョークにあふれていたとしても問題はないのだ。むしろ、そういう毒を心置きなく吐き出して笑い合えるパートナーがいることは精神衛生上もいいことだと思う。

出会ってから半年も経たないうちに婚約をした2人。結婚願望が薄かった亜紀さんが7歳年下の浩司さんからのプロポーズを受け入れたのは「面白いから」が最大の理由だった。

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